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「家族信託」とその他の制度を比較
はじめて家族信託の検討をしている方のなかには、同じような制度との違いで迷われているケースもあるのではないでしょうか。
なかでも、よく間違われやすいのが「遺言」「生前贈与」「成年後見制度」。ここでは、これらの制度と比較しながら、家族信託との違いについてみていきましょう。
| 親の状態 | 関連する 項目 |
家族 信託 |
成年 後見 |
遺言 |
|---|---|---|---|---|
| 身体能力が 低下した とき |
生活費や 医療費の 支払い |
○ | - | - |
| 本人や家族の ために財産を 積極的に活用 |
○ | - | - | |
| 判断能力が 低下した とき |
生活費や 医療費の 支払い |
○ | ○ | - |
| 本人や家族の ために財産を 積極的に活用 |
○ | - | - | |
| 亡くなった とき |
入院費用の 支払い |
○ | - | ○ |
| 葬儀費用の 支払い |
○ | - | ○ | |
| 相続のとき | 財産の引継ぎ の決定 |
○ | - | ○ |
| 先々まで の財産の 引継ぎの決定 |
○ | - | - |
※参考:大阪家族信託サポートセンター(https://www.tomoemi.co.jp/kazokushintaku/1-2/3-2-2)
家族信託、どこにお願いすればいいかわからない。くわしく家族信託の制度や解決策を知りたい場合は、無料相談ができる事務所かどうかにも注目してみてください。
財産管理契約と家族信託の違い
財産管理契約は、高齢者の財産を受任者が管理し、口座や公共料金の対応が柔軟にできる契約です。判断能力がある間は有効ですが、能力が低下すると無効となり、不正利用のリスクがあるため、見守り人が必要になります。
一方、家族信託は、本人の判断能力に関係なく契約を継続でき、信託口座で資産を管理できるため認知症対策に適しています。ただし、信頼できる親族が必要です。
商事信託と家族信託の違い
商事信託は銀行など専門機関が営利目的で金融資産を管理し、安全性や運用負担軽減が得られる反面、管理対象が金融資産に限定されるため、信託設計の柔軟性には欠けます。
家族信託は親族を受託者とし、不動産や現金も含めて柔軟に管理でき、認知症対策や長期資産承継に適していますが、受託者として信頼できる親族の存在が必須になります。
遺言と家族信託の違い
遺言と家族信託のもっとも異なるのは、効力がどの時点で生まれるのかです。遺言はご存知のように、亡くなったあとのことを託すわけですから、その効力が発生するのは死後からになります。
一方、家族信託は信託契約を結んだときから、効力を発揮。本人が存命中から財産管理などについての取り決めをできる点が、遺言との大きな違いです。そのほか、認知症などで十分な判断能力がなくなったときのケースなどでも、遺言と家族信託とでは差がありますので、ぜひチェックしておいてください。
生前贈与と家族信託の違い
生前贈与は、相続税対策としてさまざまな効果のある制度です。家族信託との違いは、「財産を完全に譲渡してしまうかどうか」という点。第三者へ財産・資産を贈与してしまうわけですから、当然、本人の手もとには何も残りません。
それに対して家族信託は、財産の処分権や管理権は譲渡するものの、そこから発生する利益をえられる権利は有したまま。たとえば、父親が子どもに自宅を家族信託したとします。子どもは自宅を売却した場合や、賃貸にして家賃収入をえたとしても、父親はその売却益や家賃をえられる権利があるのです。生前贈与と家族信託とでは、その後のライフプランもまったく違ってくるため、特徴をよく確認しておきましょう。
成年後見制度と家族信託の違い
家庭裁判所の監督のもと、財産を管理するのが成年後見制度です。家族信託といちばん異なるのは、財産の管理を任せる人間を自由に決められるかどうかという点。成年後見人は家裁が選任するため、意中の人物がいたとしても誰が後見人になるかは本人には決められません。
家裁が監督してくれるという安心感や、身上監護にも対応できる点などは大きな強みですが、財産の運用に制約があり、注意が必要です。
家族信託は、どこのだれに、何をどう頼むかはの基本的に本人の自由。認知症などで判断能力が不十分となる前の、健康なときから対応できるため、本人の意志を十分に反映させた財産管理をすることができます。
