財産は長男の家系に引き継がせたい(家督相続)

事例から学ぶ家族信託のうち、ここでは家督相続での信託ケースについてご紹介します。「財産は長男の家系に引き継がせたい」「何代にもわたって守ってきた土地なので嫡男に承継させたい」という方は、参考にしてみてください。

相談ケースの説明

先祖代々、受け継いできた土地を所有する相談者。子どもは長男と長女。これまでもそうだったように、これから先もこの土地を自分の長男とその子孫に受け継いでほしいと思っている。

そこで、遺言でそのことを決めようとしたが、遺言では次の代のことまでしか決められないとのこと。代々、長男の家系で土地を継承していくには、何かいい方法はないか。

解決策

家族信託なら何代も先まで決められる

遺言にも一定の効果はあります。しかし、相談者が直面したように、このケースではご長男が亡くなられた次のことは、遺言では取り決めることはできません。ご長男が土地の取り決めをせずに亡くなってしまうと、長男系統以外の親族への継承や売却などの事態も十分考えられるでしょう。

そこで知っておきたいのが、家族信託。家族信託なら、本人→長男→孫→ひ孫……といいうふうに土地を継承させることが可能です。家族信託では何代先にまでわたって、だれが土地を受け継ぐのかを指定できるため、本人の意志に反して次男やそのほかの親類の手にわたることはありません。

戦前まであった家督相続が現代でも可能に

家族信託で土地を家督相続させたいときは、受け継ぐ人が「受益者」であることがポイントです。受益者とは、「その資産を所有することでえられる利益をうけとる人」のこと。

家族信託は自分の財産に対する受益者を自由に決めることができますから、「長男を受益者にする」「長男没後はその長男……」「その長男没後は……」と、半恒久的に土地を受け継ぐ人(家系)を指定できるのです。

実は、戦前は「先祖代々の土地は○○家の嫡男の系統が受け継ぐ」という家督相続がありましたが、戦後の民法改正でなくなってしまいました。ですが、家族信託を活用すれば、一族の伝統とともに土地を守り続けることも可能となります。

「何代も先のことを決めるのは無意味」と思われるかもしれませんが、とくに代々の地主の家系などは、あらかじめ相続できる人を決めておくことで、いらぬトラブルを避けられるケースも少なくありません。

事例から学ぶ
カンタン家族信託
司法書士

親が認知症になり資産運用を引き継ぎたい、二次相続以降を自分で細かく決めておきたいなど、家族信託を最大限活用するための事例を集めました。