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家族信託のよくある疑問
家族信託をしたほうがいいのかも…そう思っていても、よく分からない点があって不安、という方は多いはず。こちらでは家族信託に関するよくある疑問を分かりやすく解説していきます。
受託者の義務ってなんですか?
家族信託の受託者には受託者の義務として、善管注意義務や忠実義務、分別管理義務に自己執行義務、公平義務や損失てん補責任等が定められています。それぞれ内容は異なりますが、定められている義務は全て受益者の利益を損なわないためのものです。
受託者が管理する財産は自分のものではなく受益者のものであるため、慎重に管理しなければなりません。
親が軽度認知障害と診断された場合、家族信託はできる?
親が軽度認知障害と診断されていても、家族信託は可能です。
家族信託を行うには、委託者に判断能力が必要となります。軽度認知障害は、認知障害ほど症状が進んでおらず、一般的には判断能力があると言われています。
そのため、家族信託や自分自身のことについていくつか質問し、判断能力があると確認できれば家族信託を結ぶことができます。
親が介護施設に入居している場合でも家族信託は結べる?
親が介護施設に入居されていても家族信託は結べます。家族信託は契約のため、委託者に正常な判断能力が求められます。つまり判断能力があればどのような状態でも契約できるということです。
介護施設に入居しているかどうかは関係なく、委託者に判断能力があるかを確認し、「判断能力がある」と認められれば、家族信託が結べます。ただ時間が経てば経つほど判断能力が低下するおそれがあるため、早めに専門家へ相談しましょう。
甥や姪と家族信託を結ぶことはできますか?
甥や姪でも問題なく結べます。家族信託は実の子供である必要はなく、信頼できる親族であれば受託者となってもらい、家族信託を結ぶことができます。
ただし、実の子供と異なり甥や姪には相続権がないため、「遺産を貰えないのに負担だけが増えてしまった」などの事態に陥ることになりかねません。
家族信託を結ぶ前に、甥や姪にかかる負担を少なくする方法を考えましょう。詳しくは専門家に相談してみるのがおすすめです。
受託者になるための条件はありますか?
受託者は基本的に家族や親族がなります。受託者は財産を管理する必要があるため、管理が杜撰な人には任せられません。
そのため、財産管理がしっかりできて、信頼できる家族や親族が受託者になるべきでしょう。また、受託者には判断能力や意思決定能力が求められるため、未成年者や成年被後見人、被保佐人は受託者にはなれません。
生産緑地の問題は家族信託にも関係ありますか?
「生産緑地」とは、1992年の改正生産緑地法にて指定された土地のことで、市街化区域内で農地としての運用および、一定の範囲の緑地保全を目的としています。生産緑地は固定資産税が一般の農地と同じ程度に低く抑えられる、相続税の納税猶予措置が認められるといったメリットがある反面、その土地は30年間農地として管理されなくてはいけません。
そして、1992年から30年後の2022年に、多くの生産緑地の指定が解除されます。そうなると、たくさんの土地が一斉に売却され、地価が暴落する可能性があるのです。これが「生産緑地の2022年問題」です。
生産緑地を売却する場合、家族信託の制度が活用できるのか、詳しく解説しています。
空き家対策に家族信託を行う必要はありますか?
急激な高齢化が進行する現代社会においては、さまざまな社会問題が発生しています。空き家の増加もそのひとつです。実家に住んでいた親が高齢になったため老人ホームに入所したり亡くなったりしてだれも住まなくなった家は空き家になります。所有者が認知症だったり亡くなったりしていると、この空き家を売却などで処分することができなくなるので、空き家がどんどん増加していくことになるのです。そうした空き家対策として有効なのが家族信託です。
家族信託ができない財産はありますか?
相続税や空き家対策として有効な家族信託ですが、あらゆるケースで有効であるとは限りません。中には、信託財産として扱えないケースもあるのです。
銀行口座に預けている預貯金、上場株式、地目が「田」や「畑」になっている農地など、家族信託による対策が難しい財産もあるのです。そうした財産を守るためには、専門の司法書士事務所へ相談するのが一番。ここでは、家族信託ができない・難しいケースの対策方法について解説しています。
家族信託、どこにお願いすればいいかわからない。くわしく家族信託の制度や解決策を知りたい場合は、無料相談ができる事務所かどうかにも注目してみてください。