商事信託と家族信託の違い

商事信託とは

商事信託とは、専門の会社や銀行が受託者となり、資産を管理することをいいます。営利目的で行なっているため、報酬を支払う必要がありますが、公的な機関が管理してくれることで、受託者による不正やトラブルが防げます。

信託による余計なトラブルを事前に防ぎたい人や、信頼できる家族がいない人におすすめの信託です。

家族信託との違い

家族信託は家族や親族などの信頼できる人を受託者とし、財産の管理・承継を行います。2006年の法改正で、営利目的でなければ、信託業の免許を持たない人でも受託者となれるようになりました。

一方、商事信託は受託者が専門の会社や銀行で、これらの団体は営利目的で信託を行っているため、報酬を支払う必要があります。

また、取り扱える信託財産も異なり、家族信託は、金融実務の対応していない現金や不動産で、商事信託では、金融資産を取り扱っています。

信頼できる親族の有無や信託財産の種類によって、どちらの信託か自分に適しているかを考えてみましょう。

商事信託のメリット

財産管理の負担軽減

商事信託では、賃料管理や収支の計算、建物の修理や入居率の維持など、不動産の賃貸経営で発生する様々な手間を簡素化できます。

また、銀行との債務引受契約などの面倒な手続きを全て行なってもらえるため、相続した後の受益者の負担を減らすことができます。

トラブルを回避できる

商事信託では、その道のプロが受託者となり管理してくれます。信頼できる家族や親族がいない場合、受託者の不正や暴走を防ぐためにも、プロに任せた方が安全です。

また、プロが客観的な立場で、委託者の望み通りに財産管理と資産承継を長期にわたり実現してくれるため、余計なトラブルが起こりにくいです。

商事信託のデメリット

信託の業務執行に限界がある

管理型信託会社は、もともと建築してある賃貸物件の管理しかできないため、建物の建設や不動産の買い替えを終えている必要があります。

運用型信託会社の場合、建物の建設などはできるものの、柔軟な信託の設計や変更は難しいです。

受託できる財産が限られる

商事信託は金融庁の管理下に置かれているため、信託財産として管理できる財産に対して制約がたくさんあります。

例えば、収益を生まない自宅は受託されないケースが多いうぴです。さらに、未上場株も預かってもらえないことが多くあります。また、不動産の中でも、物件所在地は収益モデルによって、受託してもらえない可能性も少なくありません。

事例から学ぶ
カンタン家族信託
司法書士

親が認知症になり資産運用を引き継ぎたい、二次相続以降を自分で細かく決めておきたいなど、家族信託を最大限活用するための事例を集めました。