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障がいを持つ息子に遺産を遺し、その後息子の世話をしてくれた施設に寄付したい(親なき後問題対策)

現代社会において問題となっているのが、いわゆる「親なき後問題」です。障がいなどで自立しての生活が難しい子どもが、親が亡くなって面倒をみてもらえる人がいなくなった場合、そのお子の身上監護や財産管理をどのようにするかという問題。

そんな親なき後問題を憂う老夫婦の悩みから、解決策をひも解いてもみましょう。

相談ケースの説明

相談者は、知的障がいをもつ長男をはじめ3人の子どもがいる夫婦。2人とも高齢となり、将来的に長男が困らないよう、預貯金や所有するアパートを相続できるよう遺言を残したいと考えている。

しかし、資産を相続しても、長男は障がいがあるためアパートの経営はできず、お金の出し入れも難しい。どうすればよいのかわからないので、何か解決策はないか。また、長男がなくなったあとは、世話をしてくれた施設に資産を譲りたい。

親なきあと問題に関する相談ケース1-1

解決策

資産の運用方法を事前に決めることが可能

仮に父親が亡くなった場合、長男には知的障がいがあるので遺産分割協議書に押印できないでしょう。その場合、家庭裁判所が成年後見人を指定して、代わりに印鑑を押してもらうことになりますが、後見人選定に1~2か月はかかります。その間、父親の預貯金などは解約することはできません。

アパートの経営にかんしても成年後見人が管理することになるものの、「本人(長男)のためになる」と家裁が認めた場合でないと自由に運用できない、自宅の処分が難しくなる、そもそも誰が後見人に選定されるかわからない、などの制約・リスクがあります。

遺書があれば遺産分割協議書は必要なくなるものの、アパート管理などの問題は残ります。

その点、家族信託であれば、ほかの子どものなかから面倒見のよい兄弟や、介護施設を選定することでOK。アパートやお金の管理は、たとえば長女に任せ、アパートの家賃収入は長男に入る、といった具合です。

親なき後問題でも、家族信託は大きな効果を発揮

障がいのある子ども以外の兄弟や親族に家族信託することで、成年後見人をつける必要もありません。そして、家族信託であれば相続税も発生しないため、資産をそのまま障がいのある長男へわたすことができます。

さらに、家族信託には、長男が亡くなったとあとのことまで決めることができるという特徴が。障がいの度合いにもよりますが、おそらくこのケースで長男が遺書をしたためることは無理でしょう。

すると、せっかく残した資産がどうなってしまうのかわかりません。家族信託であれば、長男死後の信託についても決めることができるため、たとえば、「長男死亡後はその存命中に面倒をみてくれた施設に資産をわたす」といったことまで取り決めができるのです。これは、財産の相続承継を原則として一度しか決められない遺書と、大きく異なる点でもあります。

事例から学ぶ
カンタン家族信託
司法書士

親が認知症になり資産運用を引き継ぎたい、二次相続以降を自分で細かく決めておきたいなど、家族信託を最大限活用するための事例を集めました。